ねこのてブログ

ねこのて通信 VOL.5

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by nekonote_staff
2023.05.01

遺品整理の事例① ~残された写真~

こんにちは、ねこのてです。

今月も弊社代表、宮脇によるねこのて通信をお届けいたします。

弟さんに渡った1枚の⽩⿊写真

遺品整理では、たくさんの家族の物語が垣間⾒えます。

今回は「写真」をテーマに、実際にあった出来事をお伝えしていきます。

2⽉のある⽇、90代⼥性のアパートに遺品整理に⼊らせていただきました。

⼀⼈暮らしをしておられ、お正⽉明けに体調を崩して⼊院。そのままあっけなく他界されたと聞きました。

80代の弟さん⽴ち合いのもと、2DKのお部屋に入ると、ご主⼈の写真が飾られた仏壇と、おせち料理がそなえられているのが⽬に⾶び込んできました。

⼥性が仏壇に向かって「お⽗さん、今年もお正⽉が来たよ」と⼿を合わせている様⼦が⽬に浮かびました。

お部屋は整理整頓され、丁寧な⽣活ぶりがうかがえました。⼆⼈がけのテーブル、たんす、こたつ、⼩さな仏壇、そして⾷器棚。

その引き出しから、弟さんへの⼿紙が出てきました。

弟さんに渡すと、隣の部屋に⾏き、静かに読み始められました。すると突然、弟さんが⼤号泣する声が聞こえてきたのです。

⼿紙には、やんちゃをしていた弟さんを気にかけていたこと、⾃分がいなくなったあとのことはよろしく、と書かれていたようです。それを⾒て、感極まられたのでしょう。

お姉さんが残したものの中には、1枚の⽩⿊写真がありました。そこに写っていたのは、若かりし頃の弟さんご本⼈。

お姉さんは⼤切に保管されていたのです。

「わしゃ、こんなん持っとらん」。

弟さんはそう⾔いながら、⽩⿊写真を遺品として持ち帰られました。

お姉さんの弟さんへの愛が、⽩⿊写真に込められている。そう感じました。

壊れかけの家から出てきた嫁⼊り写真

次にご紹介するのは、三⼈兄弟のお⽗様が亡くなり、そのご実家に遺品整理に⼊らせていただいた事例です。

そのお家は、いわゆるゴミ屋敷でした。半分床が抜け、とても⼈が住める状態ではありませんでした。ところが、30代の弟さんだけが住み続けていたのです。

お兄さんたちの勧めで、弟さんも家から出ることに。そのため、遺品整理というより、お家全体の⽚付けをすることになったのですが、とにかく物が膨⼤。

特に⼤量だったのが、亡くなられたお⺟様が作っていた酢漬けです。

ご家族の健康を思って作られたのでしょうが、30年分くらいの量がありました。処分するだけで3⽇かかったほどです。

ご実家の物は、ほとんど廃棄処分するしかありませんでしたが、仏壇からは⼤切なものが出てきました。それは、お⺟様の嫁⼊り写真。

古い写真でしたが、初々しい嫁⼊り⽀度の姿が写し出されていました。

ご兄弟は、壊れかけの家から物がどんどん出されていくのを、感慨深そうに⾒ておられました。

「ちょっと写真とっていいですか?」と私に声をかけながら、様⼦を撮影されていました。

きっと、思い出に区切りをつけていらっしゃったのだと思います。

⾃分たちが⽣まれ育った家、そして⾃分たちを⽣かしてくれた物の数々。それを⽬にしながら、⼼の整理をしていらっしゃったのではないでしょうか。

遺品整理が終わったあと、そのお家は解体、売却されました。

ご実家はなくなりましたが、お⺟様の嫁⼊り写真を含め、遺品として残されたものは、ご兄弟の⼤切な思い出として残り続けるのだと思います。

(続く)

 

毎月第一月曜日にねこのて通信を配信していきます。

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