遺品整理の事例③ 〜⼿放せない理由 〜
こんにちは、ねこのてです。
今月もねこのて通信をお届けします。
悲しい出来事をなくしたい
遺品整理や⽣前整理は、経済的に余裕のある⼈がするもの、と思っていらっしゃる⽅は多い と思います。
でも私は、たとえ余裕がなくても、⽣活の質を保つためにぜひやってほしい、と思っています。
というのも、先⽇、こんな事例があったからです。
⾏政から、⾃宅の整理を頼みたい⽅がいる、といって、40〜50代くらいの⼥性をご紹介いただきました。
その⽅は体が悪く、⼀⼈で歩くこともできないくらい弱っていらっしゃいました。
⼥性は、現在は⾃宅で暮らしていないとのこと。
理由を聞くと、最近、ご⾃宅で⼩学⽣のお⼦さんが亡くなられたとのことでした。
その⽅は、3⼈のお⼦さんといっしょに暮らしておられたのですが、体調を崩して以来、家を⽚付けることができず、ゴミ屋敷のような状態になっているとのことでした。
そんな暮らし の中、⼀番下のお⼦さんがお⾵呂場で亡くなってしまったとのこと。
それがつらくて、⾃宅には戻れないとのことでした。
しかし、ゴミだらけのご⾃宅を放っておくわ けにはいかなかったため、私たちが整理に⼊らせていただきました。
2LDKの住まいには、⾜の踏み場もないくらいのゴミであふれていました。
ひざくらいの⾼さまで、ゴミが積み上げられている状態でした。
ティッシュ、⾷べ物のゴミ、そしてなぜか⼤量のおむつ。おむつがいるような⼩さなお⼦さんはいらっしゃらなかったので、なぜだろう…と 思いましたが、予想はできました。
きっと、お⼿洗いに⾏くこともできなかったのではないかと思います。
そのくらい、追いつめられた暮らしだったことがうかがえました。
気軽な相談が生活を救う
私は、そのおうちの物を⼀つひとつ物を整理しながら、こんな気持ちで胸がいっぱいになり ました。
「もう少し早く相談してくださったら…」
ゴミ屋敷と呼ばれるお住まいには、いつも物があふれています。
第三者から⾒ると「なぜゴミをとっておくのだろう」と思いますが、住んでいるご本⼈にとっては、なかなか⼿放せないのです。
だからこそ、「分ける」ことが⼤切です。
お気持ちに寄り添い、残すもの、⼿放すものを分けるお⼿伝いをさせていただきたい。
そうすれば、物があふれて⽣活できなくなるのを防ぐことができます。
また、病気や体の不調が原因の場合、コンビ ニで買った⾷品の容器ゴミであふれていることがほとんとです。
⾷べ物は、コンビニで買うより、スーパーで材料を買って⾃分で作ったほうが、圧倒的に⾷費が安くてすみますし、容器ゴミも出ません。
でも、⽣活がままならないおうちほど、容器ゴミがたくさんある気がしています。
きっと、ご⾃⾝で解決できない状態なのだと察します。
私たちがお⼒になりたいと思っています。
もしも、床にたくさん物が散乱する⽣活になっていたら、⼀度でいいから相談してほしいと思っています。
床に物があると、あやまってそれを踏み、転倒して⼤けがにつながることが あります。
健康と命を守るためにも、⽣活の質を保つためにも、どうか気軽に相談をしていただきたいと思っています。(続く)
ねこのて通信は毎月第一週月曜日に配信予定です。